バンドをやってる友達

雑誌の漫画特集で紹介されていて、気になっていた『緑の歌ー収集群風』上・下(高 妍/著、KADOKAWA刊、2022年)を読んだ。

 

台湾にいる少女・緑(リョ)が主人公で、とにかく日本のカルチャーが出てくる。半分は著者の実体験からくる内容らしい。
飛行機で3時間の距離だけど、日本→台湾はどこか海外で、台湾→日本は手を伸ばせば届きそうな憧れの地なのだろうか。
若い頃に出会った韓国人の旅行者もそうだった。日本の映画が好きで、日本に憧れて、日本にやってこれてうれしいと言っていた。
恋愛ものだと紹介されていたけれど、本当に彼女が恋していた対象は日本の文化だったのではないかと思う。それほどに日本の特にポップミュージックへの想いが強い。
『風をあつめて』、『海辺のカフカ』、『ノルウェイの森』、『リリイ・シュシュのすべて』。
細野晴臣はっぴいえんど村上春樹ゆらゆら帝国。私もそれらは自分で知ったわけではなく、若いころ友人たちに教えてもらったものだった。自分だけでは出会えなかったであろうものたち。

緑が恋した人はインディーズバンドのvo&gをやっているのだが、アルバムタイトルが「間隙(sukima)」だったりして、色々繋がるものだと驚きながら懐かしむ。


だいたい夜は独りで家の中でろくでもない事考えてるあいだに終わっちゃうね。