ゴロツキはいつも食卓を襲う

友人から紹介されて気になっていた一冊を読んだ。 『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(福田里香 /著、 オノ・ナツメ /イラスト、太田出版、2012年) ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50 作…

バンドをやってる友達

雑誌の漫画特集で紹介されていて、気になっていた『緑の歌ー収集群風』上・下(高 妍/著、KADOKAWA刊、2022年)を読んだ。 緑の歌 - 収集群風 - 上 (ビームコミックス) 作者:高 妍 KADOKAWA Amazon 緑の歌 - 収集群風 - 下 (ビームコミックス) 作者:高 妍 K…

小さなまちの奇跡の図書館

ブログ投稿に3年空いてしまった。 その間も、読書会は続けていたのだけど、お互い忙しくて振り返りをしなくなってしまっていた。1行でも書けばよかった、もったいなかった。 2013年最初の本はこちら。 小さなまちの奇跡の図書館 (ちくまプリマー新書) 作者:…

セッション23

食に関する話題で場が盛り上がるということは、よくある。 それくらい「食べること」は多くの人にとって重要な関心事であり、食べ物や店舗の嗜好が似通っている人とは親しくなれる気がする。 今回の課題本はそんな「食べること」を「考える」あれこれが詰ま…

セッション22

なるべく実店舗の書店で本を買うようにしている。 それは、書棚を巡るのが好きだということもあるが、本を見る勘をなくしたくないという気持ちがあるから。 ただ漫然と本棚を巡っているようでいて、慣れていない店だったり、自分が疲れていたりすると、つる…

セッション21

富山を旅したことがある。 水が美味しくて、だから炊いたお米も地ビールも美味しくて、お魚も美味しくて、とても幸せな旅だった。 旅をするならよい場所でも、住んでみると息苦しい。それは地方にありがちなこと。 パブリックの次に「ローカルで生きる」が関…

セッション20

今回は相棒推薦図書。 タイトルで「面白そう」ってなった。 PUBLIC HACK: 私的に自由にまちを使う 作者:笹尾 和宏 出版社/メーカー: 学芸出版社 発売日: 2019/09/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) 取り寄せないとないかなあと思ったら、いつも行く書店(…

セッション19

消費税が8%から10% へと変わった。 まさにその端境期に出版された本だった。平成から令和へ変わっただけでも気持ちが大変なのに本当に激動の1年であるが、後によい記念となって思い出す本となるかもしれない。 彼岸の図書館: ぼくたちの「移住」のかたち …

セッション18

「生き延びる秘訣は、自分が迷子だと知ることだから。」(p.17) 迷うことについて 作者: レベッカソルニット,東辻賢治郎 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2019/04/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 今回の課題本は、本セッション2度目の登板…

セッション17

この本がいいねと君が言ったから8月中はキリン月間 ・・・実話です。今月の課題本は「キリン月間だから」と相棒がさっさと決めてくれました。 キリン解剖記 (ナツメ社サイエンス) 作者: 郡司芽久 出版社/メーカー: ナツメ社 発売日: 2019/07/08 メディア: 単…

セッション16

物心ついたときからずっと、図書館で夢を見てきたし、図書館に夢を見ていた。 自分の図書館の原体験は神奈川県の海辺の町である。 親が図書館に熱心に通う人だったので、2つの町の図書館を行き来していて、休みの日には必ず連れて行ってもらっていた。 その…

セッション15

良く知っているようで知らないということは、この世の中にまだたくさんある。 われ思う、ゆえにわれあり これはデカルトの大変に有名な一節だ。しかしこれだって、どのような文脈の中で使われていたのか知らなかった。これまで本編を読んだことがなかったか…

セッション14

西荻窪というまちが好きである。 住んだことはないが、大人になってから通うようになった。 現在は本屋や古道具屋、雑貨店、ベーグル専門店に美味しいことで有名な食事処など、歩いて回りやすい範囲に魅力的なお店が点在していて人気のスポットになっている…

ある編集者

東京に行ったときはなるべく美術館の展示をいくつか観るようにしている。 今回はまず編集者・小野二郎の展示を観に世田谷美術館を訪れた。 www.setagayaartmuseum.or.jp 実をいうと、小野二郎という人物については全く知らなかった。 本の界隈にいながらそれ…

セッション13

ここのところ、忙しいと言いながら内容的に重い本が続いたので、 少し読みやすい 「本の本」を課題本とした。 本を贈る 作者: 笠井瑠美子,川人寧幸,久禮亮太,島田潤一郎,橋本亮二,藤原隆充,三田修平,牟田都子,矢萩多聞,若松英輔 出版社/メーカー: 三輪舎 発…

セッション12

いいなあと思う憧れの出版社がいくつかある。みすず書房はそのひとつ。 「好き」とか「お気に入り」じゃなくて、「憧れ」なのは、価格帯もあるのだと思うけれど、生み出される本一点一点の佇まいが美しいからだ。言及するときもちょっと通ぶって「みすず」と…

セッション11

2019年は大著の積読解消ということになるみたいだ。 440ページ。おそらく今までで一番長かった。 この本は1月からの宿題だったのに、結局2/3までしか読み終えないままセッションに臨んだ。(相棒は読み終えていた。さすがである) 災害ユートピア――なぜその…

「のんき」と輪郭

少し前のことだが、数年越しの念願がかなって、東京にある書店Tに行った。 こじんまりとしていながらカフェとギャラリーが併設されていて、それでいて本棚は自分の思う「完ぺきな」状態だった。 そこには宇宙があった。 どの本も読まれたがっているように思…

セッション10

2019年のセッションは、課題本なしのスタート。 正確にいうと、課題図書は決まっていたのだけれど、互いに年明け早々いろいろと立て込んでしまい、読む時間が取れなかったので翌月に持ち越したのである。 それで、課題本以外で気になったトピックを披露しあ…

初買い・初読み

2019年は買った本をなんらかの形で記録しておこうと思う。 年末に買いそびれた本をいつもの書店で買おうと思い、在庫ありとなっているフロアに行ったら「石」に関する本のフェアが展開されていた。 とくべつ石が好きというのではないが、その中に、最近よく…

18→19

2018年はここ数年の中でも、特にたくさん音楽を聴いて、色々な本を読んだ。 環境の変化で「人に会う」ことが減ったというのもある。 それでも、それほど寂しい気持ちにならなかった。 どの作品も日々を送ることを支えてくれたが、なかでも印象的だったものを…

セッション9

「平成最後の」という枕詞が何度も何度も使われた2018年。 今年の締めくくりセッションは90年代について。 natsuhasha.com 京都の書店・誠光社の店長、堀部篤史氏の書いたエッセイである。 書店で探し当てたときに拍子抜けするほど簡単な感じの、薄い本だっ…

セッション8

9月に日帰りで京都に行った際、本の世界では有名な書店に立ち寄った。 日本全国にある「カリスマ書店」のひとつで、店長氏と話す時にも緊張してしまった。棚が何より雄弁だったから特に話す必要なかったのだけど、こんな棚を編集している人はどんな人なんだ…

セッション7

秋が深まってきた。 セッションとブログを始めてちょうど半年が経った。 7回目、予定より一週ずれてのラッキーセブン回である。 断片的なものの社会学 作者: 岸政彦 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2015/05/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) この…

セッション6

9月は秋の訪れというよりも夏の終わりを感じる月だと思う。 このところの日本は四季がなくなったと言われるが、それでも微妙に移り変わりは感じるもの。虫の声とか、朝晩の肌寒さとか。そして風の中には秋が潜み始める。 読書について 他二篇 (岩波文庫) 作…

よむあかり

本を読むためのデスクライトを探していた。 今の部屋には手元を照らす灯りはなくて、通常の部屋の電灯では手元が暗くなる。 自分にとっては道具という観点とインテリアのひとつという観点の両方から考えたい。そうそう買い替えるものでもないし。 数々の電気…

積む積む

夏休みだった。 休み中に積読を少し解消しようと旅のお供に持って行ったのは以下の3冊。 本屋な日々 青春篇 作者: 石橋毅史 出版社/メーカー: トランスビュー 発売日: 2018/06/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 読ん…

セッション5

学校に通っているときのように、きちんきちんと区切りのある生活ではない。 毎日毎日が流れるように過ぎていく。気付けば5年、10年、20年と。 カレンダーをめくっても月が切り替わった気がせず、「来年の話をすると鬼が笑う」なんて言う間もなく、笑うはずだ…

セッション4

7月は互いに忙しかったようだ。セッションもすでに2度延期になったが、なんとかスキップせず開催できた。今回は刊行されると知った時から「この本はきっと読むのだろう」と思っていた本について話すことになっていた。 これからの本屋読本 作者: 内沼晋太郎 …

通りすぎる街

7月はじめ。いまの居場所での1年が過ぎた。 実際の距離を大きく移動したのはさらに何か月か前だったのだが、ぴたっと定位置につけたのは7月だったから。本当にあっという間だった気がする。 ふと「こつん」と当たった小石に動かされたくらいのつもりでい…