ゴロツキはいつも食卓を襲う

友人から紹介されて気になっていた一冊を読んだ。

 

『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』
福田里香 /著、 オノ・ナツメ /イラスト、太田出版、2012年)

漫画や映画、小説などに登場する食の場面を分析し、そこに込められたキャラクターの性格や関係性、背景などを読み解いていく「フード理論」。

まず、下記の「フード三原則」が紹介される。

 1 善人は、フードをおいしそうに食べる
 2 正体不明者は、フードを食べない
 3 悪人は、フードを粗末に扱う

 

そして、50のステレオタイプフードを挙げ、解説していくのである。
たとえば

「なぜ、賄賂は、菓子折りの中に忍ばせるのか?」
「なぜ、カーチェイスではね飛ばされるのは、いつも果物屋なのか?」

 

などなど。
自分はそれほど漫画や映画に詳しくなく、へぇーなるほど、と思いはしても、あるある!と共感できる項目はそれほどなかったのだが、宮崎駿監督作品における食べ物の扱い方については目から鱗だった。そういう見方もできる。確かに。


もともとフィクションでの食事のシーンについては詳細が気になるほうだが、それがきちんと丁寧に扱われていると確かにほっとするし、作品へのイメージはぐんと上がる。

これまで以上に食事のシーンを注目し、深読みしていくことになりそうだ。